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期待される新型コロナのワクチン – $MRNA $BNTX など投資対象としてどうなのか?

先日、Moderna(MRNA)がmRNA医薬技術を用いたコロナのワクチンの臨床試験で良い結果を得たとして、株価が急騰しました。
その後、まだ十分なデータが出揃ったわけではないと指摘をうけ株価が急落しました。

また、これにあわせて米国株価の指数も急騰、その後やや下落しました。
つまり、米国経済の先行きはコロナのワクチン開発の行方に大きく影響を受ける(期待されている)ことが伺えます。

米国含め世界各国ではロックダウン解除後も飲食店等は席を間引くなどの対応をしていますし、大規模イベントは禁止されています。
また、市民は外出を恐れており、客足は戻っていないとされています。サービス業を中心に活気が戻らないことで景気悪化が懸念されているのです。

米モデルナ株急反落-ワクチン候補の治験結果巡る高揚感が後退






●Modernaの株価は年初来で4倍に
現在は反落してModernaの株価は60ドル台に落ち着いていますが、ピーク時は80ドルにまで達しました。
年初は20ドルですから、この短期間で実に4倍です。

仮にワクチン開発が成功した場合は

パイパー・サンドラーのエドワード・テントホフ氏はモデルナのワクチンが承認されれば年間売上高が100億ドル(約1兆700億円)に達する可能性に言及。
モデルナのワクチン初期治験は成功との見方、目標株価引き上げ相次ぐ

と見込まれており、異常なまでの熱気に包まれています。
同社の時価総額は250億円ですから、ワクチンが成功すればその企業価値がさらに跳ね上がることは明確なのです。


●医薬品開発の成功確率は?
ところで実際のところ医薬品開発の成功確率はどの程度なのでしょうか?

これはあくまでも一般的な数字ですが、臨床試験のPhase1から承認に至る確率は9.6%程度のようです。
いまModernaのワクチンはPhase1を突破し、Phase2に入りました。早ければ7月にはPhase3です。
Phase2を突破する確率は30.7%、Phase3を突破する確率は58.1%です。

Phase2に進むからにはPhase1の結果が良好なのは当たり前。難しいのはここからということです。



Clinical Development Success Rates 2006-2015


●mRNAによるワクチン開発はなお難しい可能性が高い

上記の数値はあくまで一般的な数字であり、対象疾患などによって治験の成功確率は異なります。
では、mRNAによるワクチン開発はどうかといえば、相対的には難易度が高い分野であることが推測されます。

– そもそもmRNA医薬技術によって世に出たワクチンは1個も無い
– mRNAは生体内できわめて不安定であり、あっというまに分解されてしまう(つまり、抗体をつくる前に消滅してしまう)
 副作用が出ない適切な投与量で必要量の抗体がつくられるのか、それを大規模なN数で治験したときに効果ありと認められるのか懸念される

mRNA 医薬開発の世界的動向

今後の関門であるPhase2, Phase3の一般的な通過率である30.7%、58.1%よりも更に分が悪い勝負を
これから挑まなければいけない可能性を想定する必要があります。


●チキンレース

つまるところ、いまこうしたワクチン関連銘柄が急騰しているのは博打に近いわけです。
一般的にはPhase1から承認に至る率は9.6%。9.6%を引けば毎年1兆円の売上につながるけれど、残りの90.4%は売上ゼロです。

Modernaは高い技術力でいち早くワクチン開発に参入しました。mRNA医薬開発にはスピード面で優位点があります。また、Phase1は突破しました。
しかし、まだまだ承認されない確率のほうがずーっと高い。

ワクチン銘柄に賭けるのは遊びとしては良いですが冷静に確率的に考えると
– 膨らむ期待に乗る、失敗のレポートが出るまでのチキンレース
– ある程度利益が出たらさっさと降りる

というスタンスが安全ということです。

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