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企業分析:みんなのウェディング (ゼクシィ、ウェディングパークと比較して)



みんなのウェディングは結婚式場メディアを主にした
IT情報系の会社になります。

DeNAの新規事業として生まれ、
スピンアウトして2014年の3月に上場しています。
しかし、2014年の11月に不正会計が発覚し、
低迷の折にクックパッドにより買収されていまに至ります。
経営陣もすべてクックパッドの人になっていますね。

業績は2015年9月期の通期予想が
売上:19億円 営業利益:1.5億円 純利益:0.9億円

2014年は
売上:15億円 営業利益:3.3億円 純利益:1.8億円

となっています。

トップは順調に増えていますが、
ボトムはおそらくメディア力向上のためにコンテンツに投資していると思われ、
減少しています。

http://www.mwed.co.jp/ir/highlights/

もともとメディア事業ですし、限界費用が低い利益逓増型ですから、
売上が増えてくれば利益率40%-50%ぐらいまでは上がるものと思われます。
もともと20%確保できていたわけですし。


時価総額は110億円、PERは124倍です。1株は1500円ぐらいですね。
上場時は3000円近くつけ、不正発覚後は800円まで落ちましたが
クックパッドの子会社になったというのがポジティブに受け入れられたと思われます。

BSは自己資本比率も高く、借金もなくてピカピカです。


◆背景

みんなのウェディングは結婚式場の口コミ情報を主力とした
結婚式メディア事業を展開しています。

ウェディング会社に対して
・メディア広告
・有料会員プラン
を提供することで売上を得ています。

ウェディング業界の広告宣伝費が源ということですね。

結婚式情報といえばリクルートのゼクシィが圧倒的に強力です。
口コミを主体としたウェブメディアはみんなのウェディングと、
サイバーエージェント子会社のウェディングパークが2強となっています。

ゼクシィの売上はなんと500億円ほどです。
みんなのウェディングとウェディングパークはビジネスモデルも似ており、
メディア力も同等程度であることから、
双方とも売上20億円程度であると思われます。
足し算しても、ゼクシィの10%にも及ばない状態です。


ちなみに、結婚式市場は約1兆円ほどです。
(周辺産業を広く入れると3兆円)
年間30万組が結婚し、平均単価が330万円ほど。
http://www.tgn.co.jp/company/vision/trend/index.html

結婚式業界の平均的な広告宣伝費支出は不明ですが、
ウェディング業のエスクリの決算によれば
売上に対する広告宣伝費率は9%弱です。

そう考えると、ウェディング業界の広告市場は
800億円~900億円であることが予想されます。

なんと、ゼクシィはシェアを60%程度握っていることがわかります。
(ゼクシィは書店の売上もありますが、きわめて小さい割合でしょう)
みんなのウェディングやウェディングパークはそれぞれ2,3%程度ということですね。
残りは、その他の小規模ウェブメディアや交通広告に費やされているものと思われます。


みんなのウェディングパークとしては、
このゼクシィの強力な牙城を少しずつ切り崩していく必要があります。



◆なぜゼクシィが強いのか?

ゼクシィが強力なのは、
・高単価から生まれる高利益率
・潤沢な予算をコンテンツに投資して媒体力を高められる
・結果としてユーザを引き付け、式場に送客できる
という仕組みを作れているからでしょう。

ゼクシィは発行部数、なんと30万部もあるそうです。
年間の結婚式が30万回ですから、圧倒的なカバレッジでしょう。
1000ページにもおよぶ情報量は結婚予定者のバイブルに近く、
誰しも1回は購入するという感覚になっていると思われます。

ちなみに、ゼクシィ、みんなのウェディング、ウェディングパークのそれぞれのサイトを見ると
やはりゼクシィのほうがコンテンツがリッチですね。

http://zexy.net/
http://www.mwed.jp/
http://www.weddingpark.net/


しかし、よく見てみるとゼクシィには口コミがあまり無いし、
式場の掲載件数も少ないのです。

東京の式場掲載件数
ゼクシィ:366件 みんなのウェディング:962件 ウェディングパーク:881件

みんなのウェディング、ウェディングパークは式場情報の掲載だけであれば無料なので
高いカバレッジ(ほぼ100%?)であると思われます。
口コミ返信や、詳細情報掲載は有料というモデルです。

それに対してゼクシィはそもそもの掲載費用が高く、
「高い宣伝費を払える大手・人気の式場だけ載せてください」
というメディアなのです。

それゆえ、高単価、高利益率であり、
なおかつコンテンツにお金を投資できるのです。

これはリクルートの典型的なモデルであり、
リクナビも大手企業しか載っていないのは掲載費用が高いからです。

しかし、学生からしても大手企業のほうが人気だし、
コンテンツ投資をしっかりできるリクルートは
ユーザ集めも有利ですから、結果として媒体力が高まる。

ウェディングも、大手の有名で人気な式場のほうが人気ですから、
掲載式場数が少なくても、口コミが少なくても、ゼクシィが強いのです。


◆非対称性が高いビジネスの特徴

結婚や転職、不動産購入は「一生に1回~数回」のイベントであり、
情報の非対称性が高いことが特徴です。

たとえば食べログなら、1日3回食べますから
どの店が良いか悪かはジャッジが付きやすいのですが、
結婚式場においてはそういった比較はできません。
転職も不動産も同様です。

そういった商材は
・口コミを形成しづらい
・コンテンツの演出が重要
といった要素を持ちやすいです。

みんなのウェディングも口コミの数は非常に多く、
式場によっては200件以上のところもありますが、
極端に低い数値はあまり見かけません(低くても5点中3.5点ぐらい)。

比較しづらいうえに、
「自分が行った結婚式を悪く書きたくない(良い思い出にしたい)」という意識もあるでしょう。


結果として、これから結婚するユーザも比較検討がしづらく、
ゼクシィのように式場の様子が美しく演出されている媒体から
「これ素敵だな」と思うものをチョイスしやすいのではないかと思います。

長年の蓄積の賜物か、
やっぱりゼクシィのほうが華やかですよね。
http://zexy.net/


◆戦略

こう書いていくと、
ゼクシィが強すぎるように思えますが、
時間とともにその牙城を崩していくことは可能だと思います。

そのための戦略は、ともかくみんなのウェディングの媒体力を
高めていくことにほかなりません。
要はゼクシィと比べて無視できないぐらいの量の
ユーザを送客できるようになれば良いのです。

おそらく、いまはゼクシィのほうが数倍多いユーザを
送りこんでいるのではないかと思われます。


では、ユーザを増やすためにはどうしたら良いのか。
そのためには主に4つの要素が大事でしょう。


(1)式場情報のカバレッジ

ゼクシィはその高い掲載料ゆえに、中小の式場は掲載できません。
都内ではゼクシィとみんなのウェディングとでは3倍の掲載数の差があります。

そうであれば、中小をしっかり狙って、有料会員になってもらい、
掲載情報の質量を上げていくことでユーザにとっての利便性を高めていくことが大事です。
それが結果として、売上を広く浅くとることにもなり、事業も成長するでしょう。

逆に大手はゼクシィにすでに大きな予算を割り振っています。
大手クライアント向けの高単価商品を設計しようとしても、
ゼクシィに握られてしまっている以上は難しいでしょう。


(2)式場情報の質

見積もり書を口コミとしてアップロードできるのは
非常におもしろいなぁと思います。
結婚式Tipsはゼクシィがすでにバイブルとしての地位を築いていますから、
CGMで勝負していく必要があるでしょう。

たとえば実際の式の様子の写真などは、
式を挙げようとしている人としては気になるでしょうから
おもしろいかもしれません。


(3)口コミの数

これは時間とともに増えますが、
ウェディングパークに負けないようなペースで
増やしていくことが大事ですね。

そのためには、ひたすら式場のカバレッジを高め、
式場情報の質も高めていくことが必要です。


(4)商品設計

直近でもみんなのウェディングは値上げをしているようですが、
媒体力に応じてプライスを高くしていくことは大切です。

そこで生まれた売上を媒体に再投資して
コンテンツ力を高めていくのです。


ゼクシィの牙城をいつ崩せるかはわかりませんが、
かなり気長にやっていく必要があるのではないかと思います。

現在はのべ月間利用者数が3000人程度ですが、
月間2万人(年間24万人)ぐらいになったら大きく変わるでしょうね。

ユーザが20%ずつ成長して10年、30%なら8年、50%でも5年ですから、
結構気の長い話かもわかりませんね。


なお、ゼクシィを使っていない中小の広告宣伝費が200億として、
その30%とれば売上は60億円。営業利益率30%で18億円の営業利益、
純利益が15%で9億円の純利益です。

そこに大手のものも乗れば、20億円ぐらいの純利益として、
まぁ時価総額はもうちょっと高くても良いんじゃないかな?とも思います。

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